店主の近藤さんは東京・神田駿河台「山の上ホテル」の「てんぷらと和食 山の上」で料理長を21年間務め、1991年に独立された方で、その店主近藤文夫さんが、2020年5月3日「情熱大陸」で特集されます。
ミュシュランをとってからは人気に拍車がかかり、常に予約でいっぱいのお店です。
常連客を大事にするために、オバマ大統領の要請までもお断りした逸話は目に鱗です。
さて今回は、12年連続でミュシュラン二つ星を獲得した天ぷらの名店「近藤」について、おすすめコースからお料理、予約について等をまとめました。
てんぷら近藤の店主のキャリア・人気店の理由
50余年職人として技術を磨いてこられた近藤文夫さんですが、いったいどんな方で、どうしてここまで多くの人に愛される料理を提供する事ができたのでしょうか?
近藤文夫さんプロフィール
出身:東京都足立区
学歴:1966年商業高校卒業
経歴:お茶の水『山の上ホテル』に就職
「山の上ホテル」の面接で、創業者の吉田俊男社長(当時)から「お前は和食の顔だ」と言われて「てんぷらと和食 山の上」に配属される。
天ぷら職人が独立するということで辞めてしまい、独学で天ぷらの技術を習得。
「天ぷらと和食の山の上」で修業を重ね、1970年23歳という若さで料理長に抜擢。
以後21年間、料理長として活躍。
1991年44歳で独立。
銀座に『てんぷら近藤』を開店。
「料理人になれば、食いっぱぐれることはないだろう」というくらいの動機で始めた料理の世界。
教えてくれる人がいなかった為、なけなしのお給料で料理本を買い集めては営業時間外に練習し、技術を身につけたそうです。
現場でたくさんの経験をし、腕を磨いていった店主近藤さんにとっての師匠は、まさにお客様だそうです。
てんぷら『近藤』と言えば、今でこそ、新鮮な旬の野菜がみずみずしくて美味しいのが有名ですが、近藤さんが入社した当時は天ぷらは魚介類が中心で、野菜は使われていませんでした。
そこで新鮮野菜を自ら目利きし、天ぷらに取り入れ、独自の料理法で巧みに揚げていく料理が人々の間で話題となり、「天ぷらと和食の山の上」の当時の月商は100万円も無かったところから、最終的には年商3億円の店に成長させました。
そして近藤さんは、43歳の時に独立をされます。
それが、現在のてんぷら「近藤」です。
近藤さんが、43歳で独立した理由は「天ぷらをもっと世の中に広めたい」という思いからでした。
山の上ホテルは、料理長として任されていたものの、従業員として実現できることには限りがあり、契約農家との関係を築いてより質のいい素材を仕入れたり、若い世代にも天ぷらの本当のおいしさを知ってもらうたいといった独自の発想や考えを自由に形にするには、独立しかないと考えた末の決断でした。
「てんぷら近藤」の転機は?
しかし、銀座とはいえ、9坪で1億2000万円という家賃を払っていくには相当な覚悟と努力が必要です。
ある程度の覚悟はあったけど、最初はお客さんが来ず、苦しみ、最低でも月商400万円ないとローンを返せないのに、売り上げが全く届かず、首をくくることも脳裏にあったという混相さん。
そんな大変な状況の中、近藤さんの転機となったのが、雑誌でした。
開店3か月が過ぎたころにある雑誌のライターさんが店を見つけ「あの近藤がここにいる!」と記事にしてくれた事が話題となりました。
記事を読んだ方が足を運んでくださり、少しずつお客さんが増えて2年目を迎えるころには月商700万円近くに伸ばせ、開業時の借金は7年で返せたそうです。
腕だけでもダメ、マーケティングが合わさって人は成功するってわかりました!
近藤さんの朝はとっても早いそうです。
5時に起きて6時に店に入り、スタッフと一緒に開店準備をして、その日の人数やコース内容を確認後、食材を仕入れに築地市場へ行かれるそうです。(今は豊洲かな?(#^^#))
店に戻った後は、自ら率先して魚の下処理もされているんだそうです。
近藤スペシャル!「てんぷら近藤」のおすすめ名物料理
なかまでホクホクに仕上げた絶品の『さつまいも』
油のなかで転がしながら30分以上揚げる為、ボソボソしていなく、ふっくらみずみずしい名物天ぷらです。
厚さ10センチ程ある為、焼き芋のように素材の甘みが凝縮しています。
細切りを立体的に揚げる職人技の『にんじん』
にんじんのかき揚げは、もともとは人参嫌いの人の為に開発されたそうです。
千切りにしたにんじんを、揚げ油に一気に散らして、ささっと手早く一瞬にしてまとめていきます。
出来上がりはまるで飴細工のように繊細で立体的。
目にも鮮やか。
上品な甘みでにんじんが苦手な人でもおいしくいただけます。
わさびの風味が食欲をそそる、名物の天茶でいただくのがおすすめです。
「近藤」の天ぷらの特徴
「近藤」の天ぷらはなんといっても油が違うところではないでしょうか?
非常に軽く、油っこくないから、油が胃に重たくなってきた年代から女性にも、あっさりいただけます。
普段油の苦手な人にも、「近藤の天ぷらなら食べられる」と言われる程です。
近藤さんがとあるテレビ番組で実験して分かった事があるそうで、近藤の天ぷらは、なんと家庭で作る天ぷらと比較すると、カロリーが半分なんですって!!
さすがプロの技!!
その匠な技で、野菜の本来の甘みを出してくれるので、普段野菜が苦手な人もおいしくいただけるんです。
美味しい野菜ってこんなにあったんですね。
名物のさつまいもの天ぷらの誕生秘話は、もともと薄い輪切りを揚げていたけれど、店主の近藤さんはおいしいと思えず嫌いだったとか。
しかし、さつまいもって焼きいもだと美味しいので、焼きいもに勝る味を天ぷらで出そうと考え考案されたのが、現在のさつまいもの天ぷらだったそうです。
「10センチは優に超す切り株状のさつまいもを油の中で30分くらいかけてじっくり揚げることで、水分も甘味もしっかり天ぷらに封じこむことができるから、ぼそぼそしてないでしょ?」と近藤さんはおっっしゃいます。
てんぷら近藤メニュー・おすすめ料理やコース
ランチは全2種類に分かれています。
・菫コース(8,000円
(海老2/魚3/野菜4/御飯/香物/赤だし/果物)
・椿コース11,000円
(海老2/魚3/野菜5/かき揚げ/御飯(御飯・天丼・天茶)/果物
※御飯は3種類からお選び頂けます。)
- お好み(お好みで選択)
- おまかせ(その日のおすすめ食材で提供)
ディナーは全3種類に分かれています。
・旬の食材の天ぷら/藤「ふじ」2品 13,000円
(てんぷら定食、果物)
・至高の定食!!/楓「かえで」4品 17,000円
(小鉢二品、てんぷら定食、果物)
・最高級!こだわり抜いた定食/蓬「よもぎ」5品 21,000円
(小鉢二品、刺身、てんぷら定食、果物)
- お好み(お好みで選択)
- おまかせ(その日のおすすめ食材で提供)
名物 季節限定のさつまいもは別注文にて
コースの中に当然あるかと思いきや、あれれ???ない???
という事で、別注文となります。
二人で食べられて1,500円だとか。
せっかくなのでぜひ注文していただきたいですね!
厚さはなんど10センチ!ホクホクとした焼きいも並みに食べ応えがあると評判です。
天ぷら近藤至極のランチスタート!ネタバレ
店内の席はすべてカウンターです。
入り口近くのスペースと奥のスペースに分かれており、近藤氏は入り口近くのカウンターにいらっしゃいますが、私たちは、奥野スペースへ通されました。
もし近藤さんのあげる天ぷらが食べたい際は、各回時間のスタートの早めに行く事をおすすめします。
わたしたちは5分遅れで行っちゃった(;´Д`)
注文したのはランチの11,000円のコースです。
営業で先月報奨金もらったので、ちょっぴりお昼から贅沢しちゃった(^_-)-☆
昼間ですが、近藤に来たら飲まないわけには行かないでしょう~♪
と言いう事で、駆けつけ三杯(オヤジか(‘◇’)ゞっと突っ込まれそうね)
生ビールをぐいっとね!
お通しは、なんか山椒の利いたお魚?アナゴ?
上品な味わいでした。
早速お料理のスタートです。
最初に提供いただいたのはエビの頭です。
見た目がすでになんか華やかで最初からテンションがあがります。
カリッと口の中で、エビの風味と触感が広がります。
どや♡かわいい海老ちゃんめ~♡
おぬしなかなかいい仕事しはるな(←どこの人??)
調理していたところを見ていたのですが、エビの鮮度がすごくてこの頭が、揚げる直前までまだ動いていました。
このコースにはこのエビは2本出されます。
カリッジュワ~プリプリッ。
お肉で言うと、ミディアムレアな火の通り方でした。
鮮度がいいので、半生で食べられるのですね。
そしてみんな大好きアスパラ。
レモンやお塩が添えてあるので、アスパラはお塩とレモンで素材の味を味わいました。
硬さ加減が絶妙で、さらに旬な夏野菜の自然なあまみを堪能しました。
アスパラってトップが美味しいよね!
続きまして、ナス。
どこのナスだっけな。
たしか九州の水ナスの種類だったと思います。
ナスって天ぷらにすると大体油っぽくて食べられないのですが、近藤さんのは、全然油吸ってなくて、むしろみずみずしいままの素材が生きていました。
本当に大好きなんです♡ワタシ、キスが大好き!!
子どものころからエビと同じくらい天ぷらの中でキスが好きなんです。
もったいなくて、チビリチビリたべちゃった♡
半分はお塩、半分は天つゆで味変を楽しみました。
まわりがサクッと中はふんわりなキスでした♡
タラの芽やなんだっけ?ぐるぐるした春野菜が続き、
もちろん新鮮なので、半生です。
ホタテ、嫌いな人ってほとんどいないのではないでしょうか?
当然お塩でいただきます。
添えられたワサビがホタテのうまみをアップ!!
相乗効果抜群!!
こんな相性のいい組み合わせってない!!最高!!
そして箸休めなのか、小玉ねぎが登場し、テンションが落ち着きます。
いよいよクライマックスに近づいてきました。
じゃじゃ~ん!!!
これなんでしょう?
これ・・・
あ
な
ご
♡
そうみんな大好き♡あなごです♪
あなごって天ぷらにすると、結構油っぽいじゃないですか?
わたし、過去に、旅行先のランチで、あなご天丼食べて、油が胃もたれして吐いた事あるんです。
汚い話ですみません。
そのくらいあなごっておいしいから食べたいのに油っぽくなる素材ですが、やっぱり近藤さんは違います。
あなごさえも、あっさり仕上げてくれるので、ぺろりでした。
そして、今回のわたしのお目当て、締めの天茶です。
かき揚げを天丼か天茶か、ご飯とわけて定食的な感じで出してくれる中からチョイスします。
わたしは天茶をチョイス。
だしが添えられて自分でかけるのですが、かけ方のポイントは、上からかけず、ご飯にだけかけます。
なぜなら、上からかけると一気に、かき揚げのカラッとした食感がフニャフニャになってしまうので、徐々に食べながらふやけていけるよう、ご飯だけに汁をかけます。
今回のかき揚げは、ホタテがふんだんに入っていまいした。
だし汁は、結構薄味なので、わたしは、塩とワサビを加えていただきました。
ご飯は少なめですし、お茶づけのような感じなので、おなかいっぱいでもサラッといただけました。
ランチ椿コース11,000円の2名分と生ビール合計2杯ずつ×2名で合計27,000円くらいだったと思います。
今回は日ごろの感謝を込めて、お世話になっている方と伺ったのですが、一流に触れるという事はよい経験であり、多くの学びがあると日頃から感じています。
東京の料理はやっぱり繊細で、巧みだよねと話していました。
季節ごとに旬を味わえるので、秋の味覚の際も行きたいなって思いました。